OBSESSED with BABYMETAL

BABYMETALのライブレポートや雑感・考察などのブログ

                   

BABYMETAL チュラビスタ ライブレポ

f:id:terimetal:20170621180227j:plain

 

 

1.

KORNのUSツアーにサポートとして参加しているBABYMETAL。
初日のアルバカーキ公演は活況を呈し、十分に合格点を与えられる成果を収めた。
次なる場は、南カリフォルニアのビーチシティ・サンディエゴ群の南に位置するチュラビスタ。
メキシコとの国境に近いため、スペイン語が飛び交う陽気な街として知られている。

 

 

f:id:terimetal:20170621180307j:plain

 

天候は今日も良く、見渡す限り雲一つない抜けるような青空が広がっている。
今回、ライブが行われる会場はMattress Firm Amphitheatre。
アルバカーキのIsleta Amphitheaterに似た造りの屋外の巨大な円形劇場である。


午後、開場時刻に合わせて僕はUberで移動する。
当初は交通機関を乗り継いで行く予定でいたのだが、
最寄りのバス停から会場まで40分かけて歩くのはさすがに躊躇われた。
日中は日差しが強く、体感温度は高いので、なるべくなら体力は温存しておきたい。

 

 

f:id:terimetal:20170621180401j:plain

 

ブロードウェイから右折してメインストリートに入り、オタイー川に沿って進む。
ヘリテイジ・ロードを少し行くと、やがて Mattress Firm Amphitheatre が見えてくる。
アルバカーキの会場周りは砂漠だったが、こちらは辺り一面、緑と丘陵に囲まれている
景色は違うが、ともに爆音を鳴らしてライブをやるには最適な場所のように思える。

 

f:id:terimetal:20170621180411j:plain

 

 

 

f:id:terimetal:20170621181103j:plain

 

BOX OFFICEでチケットを受け取り、待機列の最後方に並ぶ。
周りにいるのは体躯の良い男たち。女性も大柄な人が多い。
彼らが来ているTシャツは様々で、KORNやStone SourのTシャツはもちろんのこと、
IRON MAIDENやKILLSWITCH ENGAGEのTシャツ姿もちらほらと散見された。
もちろんBABYMETALのTシャツを着ている人もそれなりにいる。
もちろんという言葉を違和感なく使えることがまた嬉しい。
アルバカーキでも同じ光景を直で目にしたのだから、そう断言してもまったく問題はない。

 

 

 

 

 2.

f:id:terimetal:20170621181206j:plain

f:id:terimetal:20170621181217j:plain

 

やがて開場時刻となり敷地内へ入る。
既にフードコートはお祭り気分の様相を呈している。
この景観は紛れもなく音楽フェスのそれである。

 

 

f:id:terimetal:20170621181244j:plain

 

芝生席は封鎖されていたので、僕はスタンド席後方から会場を眺めた。
ふと既視感を覚えたのはその直後だった。
アルバカーキとほとんど似たような光景。
アメリカでは、地方都市の郊外に、このような2万人収容の円形劇場が多数あるのだろう。
さすがは広大な土地を有するアメリカだと思わざるを得ない。

 

 

f:id:terimetal:20170621181852j:plain

f:id:terimetal:20170621181904j:plain

 

やがて開演時刻となり、1組目の Islander がライブを始める。
今日も爆音だ。音圧も凄まじく、体内にまで響いてきて心臓の鼓動とリンクしている。
一昨日もそうだったが、2組目の Yelaeolf でさらに音圧は増した。
僕は重低音を全身で浴びながら彼らのライブを堪能した。

 

 

 

f:id:terimetal:20170621182654j:plain

 

奇妙な光景を目を目にしたのはインターバル中のことだった。
次のBABYMETALの出番を待ちわびていたところ、
前方にいる外国人が20名ほど、パーティ用の帽子を被り始めたのである。
それがYUIMETALに対するバースディサプライズだと理解したのは少ししてからだった。
キツネたちの粋な計らいに、僕の頬と涙腺は幾ばくか緩んでしまった。

 

BABYMETALのバックドロップが掲げられると、一昨日のアルバカーキ公演同様、
スタンディングエリアを中心に大きな歓声が沸き上がった。
BABYMETALのライブに対する強い期待感を否応なく感じる。
左右にいる、BABYMETALのTシャツを身に纏った10代と思しき少女たちが、
周囲に愛くるしい笑顔を振り撒いては、焦れた様子で、何度も袖の方を眺めている。
瞳に憧憬の色を滲ませた彼女たちの横顔はただただまばゆく美しい。

 

丘の麓に臨んだ木々は、初夏の日射しを受けて、鮮やかに、緑葉の陰影を濃くしている。
スタンド席を見やれば、集結した観客たちの姿によって緑色の椅子は見えなくなりつつある。
僕はフッと息を吐き、ぐるりと周囲を見渡してから視線をステージ中央に戻す。
間違いなく今夜のライブも成功するだろう。
内心でそう確信し、とても落ち着いた心持ちで僕は開演時間を待ち続けた。

 

f:id:terimetal:20170621183943j:plain

 

 

 

 

3.

セットリスト

01 BABYMETAL DEATH
02 ヤバッ!
03 Catch me if you can
04 メギツネ
05 KARATE
06 ギミチョコ!!

 

f:id:terimetal:20170621183646j:plain

 

1曲目の「BABYMETAL DEATH」が始まると、ピットエリアから怒号のような歓声が上がった。
フードタオルを被った3人が袖から歩いてくると歓声は歓喜の声へと変わっていった。
懸命に首を伸ばして両手を振っている少女を視界の端で捉える。
右隣にいるメタラーと思しき男性は、ヘドバンすることで、怒涛の六連符リフを歓迎している。

 

YUIMETALがにこりと微笑んだのは、フードを脱いで、少ししてからだった。
お立ち台の上からキツネたちが被っている帽子をぐるりと嬉しそうに眺めている。
SU-METALもMOAMETALもすぐに状況を把握したようだ。
2人はクールに振りを続けながらもちらりと頬に微笑の影を浮かべていた。

 

 

f:id:terimetal:20170621184009j:plain

 

曲はその後「ヤバッ!」へと続いた。
3人の揃ったダンスルーティンが観衆を大いに魅了する。
後方からひっきりなしに “ Wow! BABYMETAL!” と叫ぶ声がする。
その多くはアメリカ人女性によるものだった。

 

 

f:id:terimetal:20170621184029j:plain

 

曲が終わり、フロントの3人が袖に引っ込むと、次はお待ちかね、神バンドの出番。
4人がそれぞれ巧みな演奏を披露して大きな歓声を浴びる。
他の曲もそうなのだが、特にこの「Catch me if you can」は何度観ても飽きることがない。
僕はヘドバンを続けながらBABYMETALの本質を端的に表す同曲を十分に堪能した。

 

f:id:terimetal:20170621184045j:plain

 

もう一度彼女たちが袖に引っ込むと、聞こえてくるのは “ キツネ、キツネ ” のループ。
「メギツネ」では前方のキツネたちが嬉々とした表情で何度も一斉にジャンプ。
メギツネジャンプでひときわ盛り上がりを見せた後に続く曲は「KARATE」。
ヘビーなリフが心地良いのだろう、右隣の男性は目を瞑ったまま大きく体を揺らしている。


 

 

f:id:terimetal:20170621184058j:plain

 

やがて間奏のC&Rのシーンとなる。
しかしそこで、まったく予期していなかったことが起こった。
なんとSU-METALが、途中にYUIMETALのバースディをマイクを通して祝ったのだ。
彼女の声はとても随喜に満ちていて、だから観客にも伝わったのだろう、
SU-METALの声に呼応して、会場中から、YUIMETALを祝う言葉が次々と返ってきた。
それはとてもスペシャルで、ベリーベリーハッピーなコール&レスポンスだった。
お立ち台の上で何度も照れ笑いをするYUIMETALは完全に水野由結の姿をさらけ出している。

 

 

f:id:terimetal:20170622083615j:plain

 

美しいC&Rあと、最後にSU-METALの渾身のロングトーンが場内に響く。
アウトロでは終始、ステージに向けてひっきりなしに歓声が投げかけられていた。
曲が終わり、次に備え、3人がくるりと後方を向く。
まだ嬉し恥ずかしいのか、YUIMETALははにかんだまま体をくねらせている。
そしてMOAMETALは、嗚呼、今回もまたYUIMETALのことで感極まって涙を流している。

 

2人はきっと魂レベルで繋がっているソウルメイトなのだろう。
これまでにも何度か、彼女は、YUIMETALのことで涙ぐんでしまうことがあった。
そんなMOAMETALの異変にすぐに気付いたSU-METALがそっと背中に手を添える。
きっと彼女のことだから、「何泣いてんのっ」と軽口を叩く調子でからかい、
それでいてしっかりと温かく「あと少し」と励ましているように見受けられた。
ともに戦っている3人の強い絆を感じずにはいられない特別で感動的なシーンだった。

 

f:id:terimetal:20170622083700j:plain

 

 

今さらではあるが、もう少しBABYMETALの登場が遅い時間であったなら、
スマホのライトの演出がYUIMETALのバースディサプライズに一役買っていたかもしれない。

 

 

 

f:id:terimetal:20170622083647j:plain

 

こちらに向き直し、MOAMETALが、指先でスッと涙を拭う。
最後の「ギミチョコ」の冒頭では、彼女はもう微笑みを湛えていた。
それは慈愛に満ちたいつもの彼女の笑みだった。
僕は唇をギュッと噛み、眼前の微笑みの天使に内心で “ 顔笑れ ” とエールを送る。

 

ここまでのライブの内容がかなり刺さっているのだろう。
「ギミチョコ」では終始、後方から大きな歓声が何度も上がっていた。
僕がいる周辺も、誰もが熱狂して声を張り上げ楽しんでいる。
そうして大盛況のもと、彼女たちのライブは終了したのだった。

 

僕は一度フードコートへ戻り、そこで一息も二息も吐く。
しばらくは幸せな余韻が続いた。
今、目にした光景は、ずっと心の奥底に根を張って生涯消えることはないだろう。
「KARATE」の一連のあのシーンは、言葉にならない特別なシーンではあったが、
だけど違う見方をすれば、BABYMETALのステージングの進化と捉えることもできる。
彼女たちは、決まった煽り文句やC&Rで会場を盛り立てるだけではなく、
即興のMCで観客たちの関心を引くことにも成功した。
もっともそれは海外で、しかもメンバーの誕生日と重なっていたからであって、
日本ではこれまでどおり、ライブではMCなしが基本路線であるのだろう。

 

 

f:id:terimetal:20170621184128j:plain

f:id:terimetal:20170621184139j:plain

 

その後は STONE SOUR と KORN のライブを堪能した。
ともにピット中央では激しいモッシュが発生し、僕は何度も弾き飛ばされた。
その都度身体に痛みを覚えたが、それはとても心地よい痛みだった。
BABYMETALのライブ以外でも、こうやって外国人たちと騒ぐのはやはり楽しい。

 

KORNのライブの終盤、僕はスタンド席の最後方に移動してライブを観賞した。
少しだけ会場全体を俯瞰して眺めて見たかったからだ。
そうしてはたと膝を打った。
屋内と屋外の差はあるけれど、なるほどこれは舞浜アンフィシアターを巨大化したものだ。
あの円形劇場で、洗練されたダンスルーティンを披露したさくら学院の生徒たち。
今宵、BABYMETALも、この巨大な円形劇場で、鉄壁で洗練されたパフォーマンスを披露した。
そしてまた、さくら学院時代に見せていた素の表情も、何度も遺憾なく露呈したのだった。

 

さくら学院のライブとBABYMETALのライブ。
2つの光景が脳裏で重なると自然と涙が込み上げてくる。
卒業してもなお、愛して止まないさくら学院の校則を胸に刻みつけている彼女たちは、
誇りを胸に、真のスーパーレディとしてこの地に立ち、観客たちを大いに魅了した。
それは将来のスーパーレディを目指している現役のさくら学院の生徒たちに、
確かな夢と希望を与えるに違いない。

 

 

 

 

4.

程なくして会場を後にし、帰路に就く。
周囲に響く賑やかな声がサンディエゴの夜空を揺すっている。
僕は車中で今夜のライブを振り返る。
真っ先に思い浮かべたのはやはり「KARATE」のあのシーン。
3人のやり取りや表情を思い浮かべると自然と笑みが零れた。
僕は改めて “ ハッピーバースディ YUIMETAL ” と小さく呟く。

 

ライブパフォーマンスをフォーカスして思い返してみる。
SU-METALの声は今日も張りがあって、「KARATE」のクリアなロングトーンは、
おそらくは会場の外にまで響き渡っていたのではないだろうか。
否、間違いなく響いていたことだろう。
過去、東京ドームの広い空間を、その類いまれな歌声で完全に支配したのだから。

 

YUIMETALとMOAMETALも素晴らしいパフォーマンスだった。
それはダンスのキレ、シンクロ度だけではなく、観客を盛り立てる行為も含まれている。
特にMOAMETALは、蜘蛛手にレスポンスしながら、小さな体全体を使って煽っていた。
彼女が見せる屈託のない笑顔は間違いなく多くの外国人たちに刺さったことだろう。

 

サプライズでは素の表情を見せて、嬉しさを隠しきれずにいたYUIMETALも、
ライブ中はMOAMETALに負けじと観客たちを煽っていた。
ただ彼女の場合は、一つひとつの動きに品があるから、
見方によっては控え目な感じに見受けられるかもしれない。
けれども、彼女のあどけない無垢な笑みは、多くの観客たちを笑顔にさせたに違いない。

 

神バンドは、今宵もソリッドなメタルサウンドマシーンと化していた。
それでいて観客たちへのアピールも忘れてはいなかった。
4人とも合間合間に観客を煽りつつ、7人のバンドとしてのライブを楽しんでいた。
ラウドなのにタイトな彼らの演奏パフォーマンスはBABYMETALのライブを支える屋台骨だ。

 

ダンスに集中している際のYUIMETALの表情がふと脳裏に浮かぶ。
続いて涙ぐんでいるMOAMETALの表情、お立ち台で佇むSU-METALの表情も想起された。
刹那、チュラビスタに到着した時のことをはたと思い出した。
サンディエゴ湾を臨むサンセットビーチは彼女たちのようにとても美しかった。

 

そもそもチュラビスタとはスペイン語で「美しい眺め」という意味である。
BABYMETALの3人も、きっとオフタイムにこの「美しい眺め」を目に焼き付けていることだろう。
もしかしたら、ステージから見える観客席の景色もそのように感じているのかもしれない。
僕たちメイトからすれば、彼女たちのステージングこそが「美しい眺め」なのだが、
初見の大勢の観客たちが次第に熱狂していく様も「美しい眺め」だと思わないだろうか。

 

誰しもが、世界が変わっていく瞬間を目にすれば、それは素晴らしいことだと思うだろう。
だから彼女たちも、確かな手応えを得ると同時に、素晴らしい光景だと感じたように思う。
今、目にしているものを理解し、そしてそれを素直に受け止め、
驚愕から満面の笑みへと変化していく観客たちの表情は多分に多幸感に溢れ、
彼女たちを称賛する拍手が鳴り響く会場はとても幸せな空間に包まれていたのだから。
その「美しい眺め」をそっと胸に刻みつけ、
彼女たちの METAL RESISTANCE はこれからも続いていく。

 

 

 

 

☆☆ HAPPY BIRTHDAY  YUIMETAL ☆☆

f:id:terimetal:20170622070428j:plain

f:id:terimetal:20170622083341j:plain

f:id:terimetal:20170622083408j:plain

f:id:terimetal:20170622083422j:plain

f:id:terimetal:20170622083435j:plain

f:id:terimetal:20170622083458j:plain

f:id:terimetal:20170622083538j:plain

 

 

 

and……

f:id:terimetal:20170622083629j:plain